11 November

東京万歳楽家、ポッキーゲーム!? (万歳楽受+万松小説)

 


11/11・・ポッキーの日・・SS書いてみた。↓

怖くて一か月くらい結果が見られなかったけど
本日勇気をもって開けてみたら・・・・・・入っていたああ!
(厚顔無恥なくせにどんだけヘタレなんだww)
9/28・10/8・10/20「喝入れ」スイッチ押してくださった方ありがとうございました。
感謝申し上げます。



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 SSについて

※登場キャラについては同カテゴリ{小説:東京万歳楽家}「東京万歳楽家の夏」の
はじめをご参照ください。(万・頼・犬・松・老)

東京編のゲストキャラを捏造設定して構成したパラレルSS小説。












松虫は手に二枚の硬貨を持って眺めていた。




帯に挟んだ小さな巾着には、おはじき、ビー玉、赤い漆塗りの櫛、
小鳥が刺繍されたハンカチ、みんな人の世で育てられた時にもらったもの。
・・・・松虫の宝物。

そして公園老人からいつかもらった100円玉が2つそこに加えられた。
それを巾着から出して眺めていた。

老人は金銭面での極端な甘やかしはない。
みんなの必要な時だけ必要な分を出してはくれるが。

しかし・・その硬貨は
「欲しいものがあったら人の世で買い物をしてみるがよい。」
と、松虫に渡したものだ。


松虫は、時々老人と外にでるけど、あまりの街の変わりように驚いていた。
人々は松虫が生きていた昭和の初めとは違う、みたことないカラフルな「洋装」を
しているし、店頭には松虫がみたことないものが沢山溢れている。

--------でも、それらを決して「欲しい」とは思ったことはない。


帯の中の巾着にずっと入れていた濃い緑色のビー玉と透明なガラスのおはじきに
可愛いハンカチと櫛、これが松虫の宝物だし・・・。
なによりも・・・一番大切で大好きなのは「万歳楽といる時」だ。
そっと寄り添ってるだけで幸せだった。
十分それで満足しているから他にはなにも欲しいものはなかった。

勿論、可愛がってくれる老人や頼光、見ているだけで「面白い」白犬も大好きだ。
でもみんなと万歳楽にたいしての「大好き」の種類がちがう。
なんて説明したらいいんだろう・・・?

万歳楽もいつも物言わないけど心から自分をいとおしんでくれてるのが分かる。
自分のために新しい浴衣や振り袖を取り揃えてくれる。
街を歩く同じ年ごろの少女たちがまとう「奇妙で鮮やかな洋装」より、
万歳楽が自分のために誂えてくれる着物のほうが断然いい。

こんな風にいっぱい大好きをあたえてくれるのに、自分はなにも出来ない。

老人がくれた2つの硬貨、これでなにか御礼が出来ないか、
童女はふぅっとため息をついていた。

頼光が松虫のビー玉を手にした。
「わ・・なつかしいね。ちょっと見せて!それにしてもこんなに綺麗な緑色の玉は
みたことがないよ。」
最上階不思議マンションフロアの窓ガラスから差し込む光にかざしてみた。
夏の深山を思わせる緑色だった。
「昭和の初めってこんな素敵なものがあったのか。」
きらきらした透明なおはじきも手にしてみた。
「妹も・・・もっていたなあ・・でもあの子はこれで遊ぶより、スポーツとか
活動的なことが好きで得意だったな。」
松虫は頼光をじっと見上げていた。
「君はこういうので遊んでいたのだね。」
頼光は松虫をみるたび21世紀の少女にはない「古き日本の大和なでしこ」の
面影を感じていた。どこか近づきがたいような清らかな奥ゆかしさ。
もしもこの子が成長する普通の女の子だったらきっと他と比べようもない
しとやかな美女になるかもしれない・・。

<美女に成長した松虫と美しい万歳楽ならば最強のカップルではないか!!>


----しかし、この子は永遠に童女のままだろう・・。---------
頼光は何故かちょっとホッとした。


そんな松虫が心を見透かしたように真黒な大きな瞳でじっと自分を見上げている。

ドキッとした。

しかし・・・なにか・・・別のもの言いたげな様子だ・・。

松虫が頼光のジャケットの裾をひっぱり、階下を指さした。
どうやら自分を外に連れ出してほしいということだった。
松虫は自分から外に行きたいということはない。
なにか彼女の考えがあってのことだろう。

「外に行きたいのかい?」・・・松虫はこくりと頷いた。
「何故?」
松虫は手にした100円玉を2枚指さした。
「買い物?・・・なにかほしいものあるのかい?」
松虫は返答に困ってもじもじとしていた。

「小娘は万歳楽に贈り物がしたいらしいぞ。」
いつのまにかフロアの日だまりのところで澁谷白犬が臥せってあくびをしながら
めんどくさそうに答え、さらに続けた・・。
「俺なら万歳楽を十分満足させてやる自信があるがな。(アッチの意味で)
 一気に昇天させてやるわい。・・・ま、小娘には無理だろうな。フン。」
「?」な松虫。
「き、君!女の子の前でなんということを言うんだ!!」頼光はあたふたした。



----------頼光は思いがけなく松虫と出かけることになった。
万歳楽は今は「都を見守る精霊」のお仕事中で不在だ。

200円で買えそうなものか・・・・・・・現代では相当至難の業だ。

松虫は老人と歩く時は人に見えない姿なのに、
今は人間に見える姿で頼光と歩いていた。


松虫が近くのコンビニを指さした。
「え?あそこへ行くのかい?」
頼光は現世に戻れば日常的な場所だが、松虫にとってそこは未知の世界だった。
いつか老人が「あれは今でいうところの街の雑貨屋だよ。なんでもある。」
と言っていたのを思い出したからだ。

自動ドアがあいて<ピンポーン>というチャイム。
松虫はびっくりしたように頼光にしがみつく。
「いらっしゃいま・・・・」

レジカウンターの中年店長がいぶかしげに二人を見る。

そりゃそうだ・・。

寒風ふく11月に浴衣姿の小学生低学年くらいの少女をつれた若い男である。
しかも少女は他人から見たらおびえたような表情をしている。
-----それは・・・初めての場所だからいろいろ驚いているだけなのに。

「こども110番」という張り紙がこれほど頼光の目にイタイと思ったことは
なかった。まるで針のムシロだ。
うっかり通報でもされたら失踪中になってる自分は確実にアウトである。

そんな頼光の精神的ピンチをよそに松虫は迷っていた。
みんな鮮やかで見たことないパッケージにはいったそれは何がはいっているのか
見当もつかなかったからだ。
「菓子」というと和菓子の類とか駄菓子の類しか知らなかった。
洋菓子はあることにはあったがめったに口にできないものだった。
駄菓子と言っても今のようにパッケージには入っていない。
飴やかりんとうがガラスの瓶にはいっていてそれを一つ一つ買い求める時代だった。


レジの前、目につきやすい棚に「11月11日はポッキーの日!」という
目立つPOPとたくさん並べられてるその商品が見えた。
頼光はひらめいたように「これはどうだい?」と指さした。
ビターなチョコレート味なら彼にもあうだろう・・。
それに・・・はやく、この場を脱出したかった!(これが一番の本音。)
松虫はじっと見ていたが納得したように一つとるとレジに持って行った。
宝物のように掌中に握りしめていた硬貨を二つ渡す。

「ありがとうございました~。」
頼光は堂々とふるまうことで店長の不審感はうっすら溶けたような・・気もするが、
それでも「もう二度と松虫と二人っきりでは外に出ないようにしよう!」
と思ったのであった。

松虫は大切そうにポッキーの箱を抱えていた。




「松虫!」

帰ってみると、万歳楽が戻っていた。
松虫がいないのを気にかけていたようだ。
「心配させてすまない。」頼光は間に入った。


「いや~うとうと居眠りしていたから嬢ちゃんが出ていったの気が付かんかったよ。」
老人はすっとぼけたように言った。
「オレは小娘のことなどどうでもいいわい。」
白犬はやっぱり伏せながらめんどくさそうに答えていた。

<みんな・・この子が贈り物を買いに出かけたことを知っていながら
知らない風にしているんだな・・。>頼光はその場の空気を読んだ。

松虫は菓子の箱をそっと万歳楽に渡した。

「この子は自分の小遣いの中から君に贈り物したくて出かけたんだよ。」
頼光は簡潔に説明した。
それを聞くと万歳楽は黙って松虫を軽くきゅっと抱きしめた。



「お、小娘、気が利くな!・・・・万歳楽、俺とポッキーゲームをしようぜ。
いや・・そんなまどろっこしいことめんどくさいな・・・・。
俺はお前を直接食いたいぞ! (アッチの意味で)」と・・白犬。

(「ポッキーゲーム」ってなあに??)・・と松虫は万歳楽を見上げた。
「犬!松虫に変なこと教えるな!emoji

「嬢ちゃん、いい買い物をしたね。」
老人は優しく言った。松虫は老人にありがとうの握手をした。

いつものメンバーのやりとりを聞きながら・・・・
頼光は遠い昔・・妹が自分のために必死で焼いてくれたチョコレートの
クッキーを思い出した。それは・・苦くて全然美味しくなかったけど・・
彼女のたくさんの自分への思いが籠っていた。

・・・また・・・ほんのちょっと・・・ちくりと・・・頼光は胸が痛んだ・・。



しかし・・しかし・・・しかし・・・、

その一方で・・
(・・・・・ポッキーゲームかぁ・・私も万歳楽とやってみたい・・な。)
とも思う頼光であった・・・・・・。




                           <おわり>



あとがき


松虫の宝物、
小さな女の子がバックに玩具のアクセサリーや小物を入れて大切な宝物に
しているのって微笑ましくて好き。
それは大人からみたらつまらないものかもしれないけど、
彼女らにとっては大切なもの。平安松虫は淡々としていたけど、
・・・・東京松虫はそういう女子力高そう。


  頼光兄ちゃん・・こんな生活でいいのか!?
まあ・・一種「東京都市伝説」の長期取材の一端ですからあ。(笑)

公園老人・・もはや「金づる」存在。
この人、生前は学者とかそうい仕事やってたそう・・。
静かに目立たないでじっくり研究室にいるようなタイプ・・でも実力派。
資産はあったけど家族はいないような気がする。





本編で増上寺境内で頼光兄ちゃんがさまよっていた姿を望遠鏡で
ヒカルが発見するシーンがあるけど、場所的に東京松虫と出会っていた
可能性アリ・・かもです。

松虫「・・・・?(おにいさんも神隠しなの?)」
頼光「いや~~まいったね~。アハハハ。」

といいながら頼光と松虫がパピコ吸ってる絵を真夏に描いたのだけど、
出来が悪すぎてボツにした。
頼光兄ちゃんは神隠しにあいながらきっと楽しんでいたに違いない。
「新宿」の話ではホームレスと酒盛りしている写真があって
彼らとも仲良くやっていたところを見ると相当フレンドリーな性格で
かなり度胸の据わった面白い知識人だったのだろうね。


平安編・東京編と・・万歳楽と頼光って・・裏で相当深く通じてるのでは?
と本編で濃厚ににおわせている・・・。(そう感じたのは私だけ?)
12年くらい前にこの二人の801な二次創作ってあったのかな?
・・・・・あったら見てみたい!!